この備忘録を共有したいのは
『マザーハウス(MOTHERHOUSE)』『ERIKO YAMAGUCHI』というブランド に興味がある人
この備忘録を読めば
『ERIKO YAMAGUCHI』というブランド誕生の経緯とコンセプトがわかります
スポンサーリンク
<目次>
- 山口絵理子さんと『マザーハウス(MOTHERHOUSE)』
- アパレルライン『ERIKO YAMAGUCHI』が大阪梅田に出店
- 始まりはインドの布「カディ」
- 『ファブリックマザーハウス』から『E.(イードット)』へ
- そして『ERIKO YAMAGUCHI』
- 「哲学を纏う」「服は心のミラー」
- オープン記念イベント開催中!
- まとめ
山口絵理子さんと『マザーハウス(MOTHERHOUSE)』
『マザーハウス(MOTHERHOUSE)』というブランドが大好きです。
マザーハウスとは、発展途上国の素材や文化を活かしたモノづくりを続ける、ファッションブランド。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、2006年にバングラデシュから、山口絵理子さんが立ち上げました。2024年現在ではバングラディシュに加え、ネパール、インドネシア、スリランカ、インド、ミャンマーの6か国で、それぞれの国の素材の特色を存分に活かしたものづくりを行っています。主力商品は、バッグ、ジュエリー、アパレル、雑貨など。国内で41店舗展開しています。
アパレルライン『ERIKO YAMAGUCHI』が大阪梅田に出店
そのマザーハウスにおけるアパレルブランドが、『ERIKO YAMAGUCHI』。一部マザーハウスの店舗でも取り扱いがありますが、そのフラッグシップショップ(旗艦店)が、東京銀座に続き、大阪梅田の茶屋町に2024年11月16日にオープンしました。NU茶屋町プラスの1階、スターバックスコーヒーの向かいです。マザーハウス大阪本店があるNU茶屋町でなく、プラスの中にあるので、ご注意を・・・といっても、間違えても両者間の距離は歩いて1分ですので、ご安心を。
始まりはインドの布「カディ」
きっかけは、2017年10月、山口さんが東インドの町コルカタ(カルカッタ)を訪問した際に「カディ」という手紬ぎ手織りの布と出会ったことでした。19世紀後半のインドはイギリスの植民地で、イギリスに衣類の原材料として綿花を買われ、イギリスで作られた機械織り製品を買わされていました。そんな中でマハトマ・ガンジーがインド独立のため「自らの衣服は自らで作る」という信念で、綿を手紬ぎ手織りして製品加工まで自分たちでやろうと挑戦したのがこの「カディ」で、「ファブリック・オブ・フリーダム(自由を勝ちとった布)」とも呼ばれています。
大量生産のコットン生地が出回る世の中で、カタンカタンと綿花から糸に、糸から布にしているインドの人たちを見て、できあがったシャツを実際に着てみた山口さんは「風を通し、肌が喜んでいるような温もりある質感に魅了された」と仰います。素材の良さ、技術の高さ、そしてガンジーから受け継がれるスピリットに惚れ込んだ山口さんは、当時バッグが主流であったマザーハウスに、『ファブリックマザーハウス』というアパレルラインを立ち上げました。
『ファブリックマザーハウス』から『E.(イードット)』へ
その後、2019年に『ファブリックマザーハウス』は『E.(イードット)』へとブランド名を変更します。
E.は絵理子の頭文字。「年齢も性別もお客さまの間口が広いバッグやジュエリーと違って、アパレルの提案はスタイリングと個人の主観が大切だと感じた。その覚悟を持って、ブランド名に自分の頭文字を入れた」と当時山口さんは仰っていました。東京秋葉原のマザーハウス本店の隣に、『E.(イードット)』本店もオープンしました。
そして『ERIKO YAMAGUCHI』
2022年9月には、いよいよ、頭文字どころかフルネームの『ERIKO YAMAGUCHI 』という新ラインを立ち上げられました。
山口さんは代表取締役兼チーフデザイナーとして『E.(イードット)』に取り組んでおられましたが、「常にデザイナーである前に、”創業者である自分”がいた」とのこと。新ラインのビジネスを軌道に乗せるために、常に経営観点で、お客様のニーズと、現地の素材や職人さんの技術といったシーズに向き合って、最適解を模索されていたのだと思います。そして時を経て立ち上げから4年。『E.(イードット)』が軌道に乗ったタイミングで、山口さんが”創業者” ”経営者”でなく”デザイナー”として本当に作りたいものを作る、100%ご自身の個性を表現できるラインを立ち上げられたのです。
ブランドコンセプトは”Beyond the difference, something in common.(差異を超えた境界のない世界)” 。素材の良さや職人さんの技術の高さはマザーハウスなのでもちろんのこと、国籍や性別、年齢を問わないボーダーレスなアウトプットにこだわられています。ジェンダーレスやエイジレスが受け入れられ、多様性が尊重されるこれからの時代にまさにふさわしいコンセプトだと思います。また、実際に国境を超えまたぎ、それまでの常識と戦い乗り越えて、途上国から世界に通用するブランドをつくりあげてきた山口さんだからこそ、説得力が出るコンセプトだとも思います。
しばらく『E.(イードット)』と『ERIKO YAMAGUCHI』の2ブランドが販売されていましたが、この2024年末で『E.(イードット)』は展開終了となり、アパレルラインは『ERIKO YAMAGUCHI』に一本化されることとなりました。なお、『ERIKO YAMAGUCHI 』フラッグシップ一店目は東京銀座に構えられ、元々秋葉原にあった『E.(イードット)』本店は、今はマザーハウス『最後の一品店。』としてコンセプトを変えて営業されています。
スポンサーリンク
「哲学を纏う」「服は心のミラー」
上述したように、『ERIKO YAMAGUCHI』のブランドコンセプトはボーダレス。たしかに、国籍、性別、年齢を問わずに楽しめるラインナップです。でも、やっぱり私は(このブランドに限らず)ブランドは着る人を選ぶと思います。それはけっして美男美女だとか、モデル体型だとかそういうことではなく。その点でいえば、『ERIKO YAMAGUCHI』は、全身を包み込むような、着る人の体形は問わないデザインが多い。
私が言いたいのは、その人の人となり。『ERIKO YAMAGUCHI』であれば、多様性を否定するような人、ステレオタイプな思い込みの強い人、相手の人間性にレッテルを貼りがちな人、自分と異なる思想の人に攻撃的な人なんかは、このブランドは似合わない。だから私も、このブランドが似合うような、多様性を愛し尊重する人でありたいと思う。
マザーハウスのアイテムもそうだけれど、身に着けたり着るものは、自分という個性の表現でもあると思う。山口さんも「哲学を纏う」「服は心のミラー」といったフレーズを時に使われる。ガンジーは「カディはただの布ではない。思想である」といった。好きなブランドを身に着ける、着るということは、そういうことなのだと思う。
オープン記念イベント開催中!
11月18日、マザーハウス大阪本店でバッグを買いました。すると写真のようなフライヤーをいただき、『ERIKO YAMAGUCHI』に持っていくとガチャガチャにチャレンジさせてもらえました。落ちてきたカプセルを開けてみるとなんと・・・「バッグ」!!2024年秋冬のコレクションテーマ「NOMADIC」のコットンバッグをGETすることができました。嬉しいなぁ、大事に使わせていただきます。
まとめ
今回の備忘録
マザーハウスのアパレルブランド『ERIKO YAMAGUCHI』フラッグシップショップが大阪梅田の茶屋町にオープン。関西圏の方もぐっと行きやすくなったので、要チェックです!
記事中に登場した『最後の一品店。』に行ってみたブログはこちら。
マザーハウス(MOTHERHOUSE)を好きな理由をつらつら書いてみたのはこちら。