この備忘録を共有したいのは
- 組織の中で仕事をしている方
- 何かしらのプロジェクトの中心メンバーになった方
この備忘録を読めば
組織の中で仕事をスムーズに進めたり、仕事以外でも、プロジェクトを成功させるために効果的な「社内政治」の心構えを知ることができます
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<目次>
- はじめに
- 良い仕事をするための『社内政治』
- ① ステークホルダーが誰かを把握
- ② ステークホルダーごとの期待や不安を理解する
- ③ ステークホルダーの優先順位を考える
- 「社内政治」は「プロジェクトマネジメント」の一環
- まとめ
はじめに
突然ですが、『社内政治』ってやってますか?
『社内政治』って、なんか、響きが良くないですよね。でも私は、「出世の為の社内政治」は興味ないですが、「良い仕事をする為の社内政治」はすこぶる積極的にやっています。
良い仕事をするための『社内政治』
私にとって、良い仕事をする為の『社内政治』とは、「その仕事に関係する登場人物を広く適切に理解し、敵を作らず、味方を増やすこと」。敵とまでいかなくても、反対勢力を極力作らずに減らしていき、応援してくれる好意的な味方を増やすことが、仕事をスムーズに進めるうえでとても大切です。
① ステークホルダーが誰かを把握
ちょっとカタカナを使うと、この「登場人物」のことを『ステークホルダー』と言います。何かしらの仕事やプロジェクトに、影響を及ぼすか、影響を受ける(と思っている)人たちのこと。
ステークホルダーは広範囲に渡ります。例えば私は「社内向け独自AIの作成・導入」というプロジェクトを推進していました。その際のステークホルダーは、下記の面々が想定されます。
- 最終決裁者である社長
- 開発に関わるシステム部門のメンバーと、その部門長
- そのAIを最も使う部門のメンバーと、その部門長
- 今の業務がそのAIに置き換わられそうなメンバーたち
- ニュースとして扱いたい広報部門
- 安全性を懸念するセキュリティ部門や法務知財部門
- 費用対効果が気になる財務部門 などなど。
まず社内政治の第一歩は、自分が進めようとしている仕事やプロジェクトに対するステークホルダーが誰なのかを、自分の周辺だけでなく、広い視野で、正しく洗い出すことです。
② ステークホルダーごとの期待や不安を理解する
そして次にやるべきは、ステークホルダーたちそれぞれが本件に対して期待していること、不安に思っていることを理解し、把握すること。
わかりやすい例として、5年生のクラスの文化祭の出し物で「お化け屋敷」をやることになった際のステークホルダーを整理してみます。
例:文化祭の出し物に関わるステークホルダー
ステークホルダー | 期待・不安 |
---|---|
クラスの生徒 | できるだけ怖くして、お客さんをビビらせたい! |
担任の先生 | 学校のルールを守り、安全に運営して欲しい! |
文化祭実行妬員 | 文化祭全体を成功させたい! |
来場するお客さん | 楽しく怖い体験をしたい! |
校長先生 | 学校の名前に働く事故が起きないように欲しい! |
近所の住民 | にぎやかないいイベント。しかし音がうるさいと困るかも? |
出し物に必要な業者 | 準備に必要なアイテムを売りたい! |
③ ステークホルダーの優先順位を考える
よく問題になるのが、ステークホルダーごとに意見が異なる場合です。たとえば、
クラスの生徒「怖いネタを増やそう!みんなビビらせたい!」
担任の先生「一般のお客さんもいるから、節度は守ってね!」
お客さん「幼稚園の妹も連れていくから、怖すぎないといいな…」
こんな時は、各ステークホルダーの中で、誰を優先するかを考えましょう。今回だと、基本的には1番大切にすべきはお客さんの声だと思います。だとしたら、お客さんの期待や不安に沿ったアクションを軸に、他のステークホルダーの意見もふまえたアイデアを考えていきます。たとえば、怖さレベルを二段階に分けて選べるコースにするなど。
ステークホルダーの優先順位の考え方
ステークホルダーの誰を優先すべきか悩む場合は、プロジェクトに対する興味関心の度合いと、実際の権限や影響力の大きさを考えてみましょう。当然、その度合い・大きさが高いステークホルダーが優先です。そのステークホルダーの期待や不安に沿ったアクションを起こし、味方にしていくことが重要になります。
「社内政治」は「プロジェクトマネジメント」の一環
「社内政治」と言ってきましたが、今日紹介した仕事の進め方は「ステークホルダーマネジメント(ステークホルダー管理)」という「プロジェクトマネジメント」というスキルの一部です。その仕事に関係する登場人物を広く適切に理解し、敵を作らず、味方を増やす。文化祭の出し物を事例にあげたように、会社の仕事だけでなく、町内のイベントや、学校のPTAみたいなものだって、プロジェクトには何だって活かせるスキルです。
そして組織の中で仕事をするうえで、この考え方は常に頭においておくとよいです。特に、何かのプロジェクトを中心メンバーとして進めることになったら、是非、皆さんも『社内政治』をポジティブに意識してみることをお勧めします。
まとめ
今回の備忘録
組織の中で仕事をスムーズに進めたりプロジェクトを成功させるためには、その仕事に関係する登場人物を広く適切に理解し、敵を作らず、味方を増やすことが大切。これは「プロジェクトマネジメント」スキルの一部である、「ステークホルダーマネジメント(ステークホルダー管理)」。
- ステークホルダーが誰かを把握
- ステークホルダーごとの期待や不安を理解する
- ステークホルダーの優先順位を考える
これらを意識して、ポジティブに「社内政治」やっちゃいましょう!