この備忘録を共有したいのは
- 自分で納得のいく人生を送りたい方
- 仕事で成果を出すための考え方を知りたい方
この備忘録を読めば
意外に混同されがちな「客観」と「主観」について整理しながら、納得いく人生や仕事で成果を出すために大切な考え方を知ることができます
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<目次>
はじめに
『物事を客観的に見て、主観的に行動する』
これは、私が尊敬する経営者の1人、株式会社サトーの会長だった藤田東久夫さんの言葉。私が仕事でもプライベートでも大事にしている考え方の一つです。
何かを判断するときには、できる限り冷静に状況を分析し、感情や思い込みに流されないようにする。しかし、最終的に行動を起こすときには、自分の信念や価値観を大切にし、主体的に決断する。このバランスが、自分で納得のいく人生を送るために大切だと思っています。
「物事を客観的にを見る」
客観視することの大切さ
まず、『物事を客観的に見る』とは、自分の主観、価値観、好み、希望、思い込みなどを省き、可能な限りピュアな視点で物事をありのままに捉えることです。
ビジネスの世界では、「客観的な視点を持て」とよく言われます。客観視とは、自分の感情や先入観を排除し、データや事実に基づいて状況を判断することです。
例えば、マーケティング戦略を考えるとき、主観的に「これは消費者にウケるはず!」と決めつけるのではなく、市場データや消費者の実際の声を分析して、本当にニーズがあるのかを見極める必要があります。これは、戦略の成功確率を上げるために非常に重要です。
主観にとらわれやすいのが人間
しかし、現実には、私たちはしばしば主観にとらわれます。
例えば、新商品の調査結果が芳しくなくても、自分に都合の良い勝手な解釈をしてしまう。スピード違反を「自分は捕まらない」と楽観視する。相手が自分に好意を持っていると決めつける。
また、「あの人は〇〇な人だ」とレッテルを貼ったり、「これはよくあるパターンだ」と決めつけてしまうこともあります。逆に、「自分は才能がない」「何をやってもダメだ」と、主観的な思い込みで自分の可能性を閉ざしてしまうことも。
こうして考えると、私たちはどれほど「主観という色眼鏡」で世の中を見ているのか、改めて気づかされます。
主観を省いて客観的に見る意識を持つ
でも、あえて開き直ってみます。AIじゃあるまいし、人は誰だって、100%客観的な視点を持つことは不可能。そんな完全な存在がいたら怖い。そもそも、判断材料そのものに限りがあり、その情報収集すらも、主観が入り込んでいる可能性がある。
完全に客観的な視点を持つのは不可能ですが、大事なのは「自分は主観的に物事を見がちだ」と自覚し、意識的に客観的な視点を取り入れることです。
私はこの意識を習慣づけるために、「素直に捉えると…」「冷静に見ると…」と自分に言い聞かせるようにしています。これを口癖のように繰り返すことで、主観のフィルターを一度外し、冷静に物事を判断する習慣が身につきます。
「主観的に行動する」
一方で、行動の場面では「主観」が必要になります。どんなに客観的に状況を分析しても、最終的に決断し、行動するのは自分です。そして、その行動には「自分の信念、価値観」や「情熱」が反映されるべきです。時には「直観」かもしれません。
例えば、起業を決意するとき。データを見ればリスクもわかりますし、「成功確率は低い」と言われるかもしれません。でも、自分が本当にやりたいことなら、客観的な情報を踏まえつつ、「自分はこの道を選ぶ!」と決断し、行動することが大切です。
その行動は本当に自分の主観にもとづいているか?
しかし、これがまた意外と難しい。
例えば、会社の方針に反対でも、「流れに逆らうのは面倒だ」と妥協してしまう。体調が悪くても「優先席に座ると変な目で見られるかも」と立ち続ける。
これらは、一見「客観的」に周囲を見ているようで、実は「他人の目」を意識しすぎて、自分の本当の気持ちを抑えているのです。
もちろん、最終的にその行動を決めたのは自分なので主観にもとづいて決めたと言えないこともないですが、その主観の源泉は自分の本心か、よくよく考えてみましょう。
自分の行動に責任を持つ為に、主観的に行動する
主観的に行動することの本質は、「自分の行動に責任を持つ」ことです。
自分が本当に納得して行動したことは、たとえ失敗しても納得し、いさぎよくあきらめる、あるいは次なる改善に繋げようと思える。しかし、周囲に流されて決断したことは、失敗すると他人のせいにしがちです。
だからこそ、「この決断は、本当に自分の主観に基づいているか?」と自問することが大切です。
主観をどんどん出していこう
ちなみに、「客観」と「主観」では「客観」が重視される風潮が、特に仕事においてはあるように感じるのは私だけでしょうか。
「もっと俯瞰して眺めよう」「全体の視点で考えよう」などとよく耳にします。
確かに、冷静な判断は大切です。でも、世の中の大発見・イノベーションの出発点は、いつだって「主観」です。
ホンダの『ワイガヤ会議』では、主観をぶつけ合うことが重視されています。オズボーンが提唱した『ブレーンストーミング』では、他人の意見を批判しないルールが設けられています。そして、『心理的安全性』とは、お互いに恐れずに無邪気に主観を発言できる環境を指します。多様な主観にもとづく意見やアイデアを持ち寄り、ぶつけ合うことで、新たな価値が生まれるのです。
一部、自分の主観なのに勘違いして世界中の常識のように発言する人がいるおかげで、「それってあなたの感想ですよね」といったように、主観が悪者みたいなフレーズが独り歩きするのです。主観は悪者ではありません。むしろ、礼儀をわきまえていさえいれば、積極的に発信していくべきものです。
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バランスが成功を生む
さぁ、「物事を客観的に見る」ことと「主観的に行動する」ことの両方の大切さを知ったところで、ここで大事なのは、「客観と主観のバランス」です。
- 客観的に見すぎると、行動できなくなる → 「リスクがある」「成功確率が低い」とばかり考えて、結局何も始められない。
- 主観的に突っ走りすぎると、失敗しやすい → データを無視して「これが絶対正しい!」と盲信し、結果的に市場のニーズとズレた選択をしてしまう。
何事にも成功する人は、このバランスを上手に取っています。
具体的な実践方法
では、どうすれば「客観的に見て、主観的に行動する」ことができるのでしょうか?
① まずはデータを集める
何事も「感覚」だけで判断せず、しっかり情報収集しましょう。市場調査、競合分析、実験データなどを活用し、現実を把握します。
② 一度、自分の意見を疑う
「自分はこう思うけど、本当にそうなのか?」と自問自答するクセをつけましょう。違う視点から物事を見ることで、より冷静な判断ができます。
③ 最終的には自分の直感を信じて動く
データ分析をした後は、「自分はどうしたいのか?」を考え、行動に移しましょう。どんなに正しいデータがあっても、行動しなければ何も変わりません。
最終的には、どこかで「自分はこうする」と腹を決めることが必要です。どんなにデータを集めても、どんなに情報を分析しても、最後の決断を下すのは自分自身。失敗を恐れず、自分の主観に従って行動する勇気が求められます。
朝令暮改を恐れない
最後にお伝えしたいのが、この『物事を客観的に見て、主観的に行動する』ことが本当にちゃんとできていれば、朝令暮改を恐れることはなくなるということです。
朝令暮改とは、朝に出した命令を夕方にはもう改めるというように、方針などがコロコロ変わって定まらないこと。
でも、これが批判されるのは、ろくに状況分析できていない決断の場合です。ちゃんとした情報分析にもとづいて決めたことなら、状況の変化に応じて、方針や結論が変わるのは当然のことです。胸を張って変更すればよいのです。
また、自分でない他者の影響で決めているのが透けて見える場合も、コロコロと変わるのはカッコ悪く、非難されます。でも、自分の主観にもとづいて判断したと自信を持てるなら、これも胸を張って、方針変更すればよい。それで非難されたとしても、自分で決めたことなんだから受け入れられますよね。
まとめ
今回の備忘録
『物事を客観的に見て、主観的に行動する』
この言葉は、冷静な判断と主体的な行動を両立させるための指針となります。
- 状況を分析するときは、主観の色眼鏡を外し、冷静にデータや事実を見極める
- それを踏まえたうえで最終的には自分の考えや想いを大切にし、主観的に行動する
大切なのは、「客観」と「主観」を混同せず、意識的に使い分けること。
さあ、あなたも今日から、「客観的に見て、主観的に行動する」ことを実践してみませんか?私も改めて意識します!