誰かと私の備忘録

40代なかば中間管理職おじさんが、マーケティングやコーチング、勉強中のDXをベースに日々の学びをシェアするブログ

「カマス理論」をかます!

こんにちは!でじきちです。

早く帰れた金曜は、次男の好きなさかなクンの「サカナ★スター」を観ます。今回は「ホウボウ」という魚の紹介でしたが、そこに「カマス」も出ていました。そこで、「カマス理論」を思い出しました。今年からうちの会社に、バリバリのITキャリアの方が参画してくださっています。この方を観ていると、とっても「カマスだなぁ!」と思うのです。ちょっぴり仕事が停滞気味だなぁ、最近新しいことにチャレンジ出来ていないなぁ、と感じる方に、今回の記事が少しの刺激になれば嬉しいです。

<目次>

「カマス理論」

カマスって魚、ご存知ですか?こんな魚です。

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 出典:小学館の図鑑NEO新版「魚」

お寿司ではあまり印象が無いですね。網で獲るのでなく、釣ったものでないと美味しくないのだとか。旬は秋で、見た目もさんまに似ていますね。でも、さんまと違うのは、さんまの主食がプランクトンなのに対して、カマスは小魚。とっても獰猛なお魚なんだそうです。そこで、こんな理論が生まれました。実際に実験されたのだろうか?

  1. カマスがいっぱい泳いでいる水槽をイメージしてください。当然、小魚入れると、みんなが俺が俺がと襲って、食べちゃいます。
  2. そこに、透明な仕切板を入れて、カマスと小魚を分離しました。
  3. すると、カマスはみんな小魚を襲おうとしますが、透明な仕切板に阻まれてしまい、ゴツンゴツンと頭を打つばかり。
  4. すると、なんということでしょう。次第に、カマスたちは、小魚を仕切板越しに見ても、襲おうとしなくなるのです。
  5. さらに!仕切板を外してみると・・・なんと、仕切板は無いのに、小魚を見ても襲わないのです。「どうせ無理だ」って諦めてしまうんですね・・・!
  6. でも、そこに1匹の、新たなカマスを入れてみるとどうなるでしょうか。
  7. 当然、その新しいカマスは、小魚見つけると嬉々として襲って食べちゃいます。
  8. すると、それを視ていた他のカマスも、また小魚を襲って食べるようになるのです!

いかがでしょうか。こんなこと、皆さんの職場でもありそうですよね。「うちの会社じゃ難しい」見えない仕切板を感じている場面、ありませんか?勿論、「何だって見えない仕切板さ!乗り越えられるさ!」なんて野暮な青臭いことは言いません。見えてる仕切板や、実際に存在し続ける仕切板があるのも重々承知しています。でも、考えてみてください。あなたの思い浮かべた仕切板の中には、「実はもう取り除かれている仕切板」が無いですか?

典型的な、気づかないうちに仕切板の取り除かれているケースが、「社長や経営層、上司の考え方が変わった」だと思います。前までは駄目だと言われていた、何度も否認されていた案件。それが意外に、今は通るかもしれない。「前と言ってることが違う」そんなことが意外と会社という水槽の中では起こることを、我々はよく知っていますよね。

「仕切板を外す」という宣言が無いままに取り除かれていることも勿論あるでしょう。でも、意外にこれもあるなと思うのが、社長や経営層は「仕切り板を外す」趣旨のメッセージを放っているのに、現場が勝手に「そうは言ってもきっと変わらんさ」と自分で仕切ってしまうことです。DXに関しては特に多いのではないでしょうか。社長や経営層が世の中の実態を知り、危機感を覚え、一気にDX推進に角度をつけて舵を切ることが、今本当に多くの会社で起こっているように思います。メッセージが放たれていることを感知したなら、是非、もう一度小魚を追いかけてみる行動に移してみるべきです。もしまた否認されたなら、可能なら、対話してみてください。全否定ではないかもしれない。良い壁打ちになるかもしれません。当社も、それに近いことを感じます。社長のメッセージはあるのに、現場が仕切り板をイメージしている。

そこに入ってきたのが、冒頭触れた、バリバリITキャリアのAさんです。Aさんは今まで、IT業界で成功体験を重ねられてきました。その方から見れば、何故皆が萎縮しているのかがわからない。社長もメッセージを放っているのにと。たちまち、我々が思いもよらない提案を社長にぶつけています。社長も、まんざらでない様子でその提案を受け入れています。元々からのIT部門の方々は、「ほんまかいな」という目で、その光景を見ています。Aさん、新しいカマスそのものではないですか。本当に、Aさんの動きは尊敬するし、カマス理論を思い出し、自分も動いていこうと思わさせられます。

考えてみれば、自分もIT部門の皆さんの中においては新しいカマスなわけです。それをAさんは思い返させてくれました。デジタル音痴で底を這うナマズかもしれませんが、仕切り板が無いのは、知っている。

ナマズと言えば、ついでに、よく似た話で「ナマズ理論」というのもあります。簡単に紹介します。

「ナマズ理論」

  1. 昔々ノルウェーの漁師さんが、イワシを捕って船の生け簀で岸まで持ち帰るが、「鰯」と書くだけあって弱いから、皆運搬中に死んでしまう。鮮度が重要なのにこれは痛い。
  2. でも、とある漁師さんのイワシだけは、生け簀まるごと、みんな元気に生きて岸まで到着する。はたしてそのからくりは。
  3. 実はこの漁師さん、生け簀の中に1匹のナマズを紛れ込ませていたのだ。ナマズという異質な存在がいることで野生の海に居た時同様にイワシ達は程よく緊張して逃げながら泳ぎ続け、岸までの長旅を乗り越えることが出来るのだそう。

ディテール異なる話もありますが、ざっとこんな感じです。やはり組織には異質な存在が大切だと気付かされます。同じ考え、同じキャラクター、同じ属性のメンバーだけでは、活気が出ない。異質な存在の異質な意見は「うっ」とこたえることもありますが、それがあってはじめて、ディスカッションの質が高まっていきます。多様性を認めることは勿論心理的安全性を高めますが、良いディスカッションの為にも大切なことです。

なお、「カマス理論」は同じ類の話として「蓋が無くなっても高く飛べないノミ理論」「子供の頃に繋がれた鎖を大人になっても外せないと思い込んでいるサーカスのゾウ理論」などがあります。でも、「カマス理論」が一番好きですね。何故なら、「カマシてるなぁ!」「カマシてますね!」などとチョケて使いやすいからです。新しいカマスになるのはけっこう実はヒリヒリする行為。これを、誰もがやりやすいように少しチョケて煽るくらいの雰囲気がちょうどいいのかなと。往年の「愛しあってるかい!」陣内孝則を彷彿とさせながら、言ってみましょう。自分に。「カマシあってるかぁい!?」と。25周年のKinKi Kidsばりに、「カマされるよりもカマシたいマジで」も可です。

ではまた。晩ごはんはカマスの干物焼きです!