誰かと私の備忘録

40代なかば中間管理職おじさんが、マーケティングやコーチング、勉強中のDXをベースに日々の学びをシェアするブログ

着任1ヶ月で痛感した、DX推進の意外な勘所4点

こんにちは!でじきちです。

「DX推進」の役割をいきなり与えられて、はや一ヶ月。読者様の中には、私と同じような境遇の方もおられるのではないでしょうか。今日は、この一ヶ月で私が感じた、「DX推進に大切な勘所」についてお話します。私の失敗も紹介しますので、ぜひ同じ境遇の方はご参考になさってください。

<目次>

DX推進のライトノベル!?

先日、本屋さんで面白い本を見つけました。それがこちら。


「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」とか、「もしアドラーが上司だったら」とか、この手のビジネスや自己啓発系のライトノベルは沢山書店で見ていましたし、実際読んだこともあります。でも、「DX」に関するものは私は初めて見ました。帯には「『今日から君をDX担当に任命する』…、そんな無茶振りありですか!?」

「一緒やん!」と思いました。読んでみたら、ライトノベルと侮るなかれ、この本の中には色々学びがありました。中でも私が大きく共感したのが次の3つのメッセージです。

  • DXを推進するには泥臭くアナログな取組が必要
  • デジタル社会を前提とした、第二の創業がDX
  • 社外のスペシャリストの力を借りるべし

その背景には、私がここ一ヶ月で感じている、DX推進の意外な勘所がありました。

やりながら感じる、DX推進の勘所

「DX推進」という言葉に、私は最初、どこかITを駆使したスマートな、無機質な取組をイメージしていました。デジタル知識が最も重要で、ほぼそれに尽きると思っていました。でも、わずか一ヶ月でその考えは大きく変わっています。今、私にとってDX推進という仕事の勘所は、

  1. 人の想いを知る
  2. 人と人とを繋ぐ
  3. 現地現物を知る
  4. 創業の理念を知り、今に繋ぐ

です。超アナログですね!

人の想いを知る

この一ヶ月、まずはAsIs把握ということで、全社で進んでいるDXと呼ばれている案件を整理したら80件以上もありました。これらに優先順位をつけて、ダブりや不要なものをさばいたり纏めることが必要です。しかし、それぞれの案件には、創り上げた人の想いがあります。その理解無しに、仕分けは出来ません。

次いで取組んでいるのが、ToBeや戦略の構築です。これだけの案件が乱立している背景には、個々の組織が個別最適を目指したことがあると思っています。故に、全社としてのデジタル戦略が必要です。ただこういった内容は、経営企画部のミッションでもある。この取組のリーダーシップをどちらが取るのか?ここにも、人の想いが絡んできます。

さらに大きいと感じているのが、IT部門との想いを合わせることです。我々DX推進チームは今年新しく設立されたのですが、同じ組織内には、既存のIT部門があります。彼らは今まで必死に全社のITを支え、そして、DXに関しても提案をされてきました。しかしながら、昨年までは提案を却下されてばかりで辛いことも多かったようです。そこへ、いきなりDX推進チームなんてのが出来た。何やら社長もバックアップして、景気の良いことを話している。私だったら、面白く無いです。ふてくされたくなります。誰だってそうでしょう。ここを一枚岩のワンチームとして、同じ方向を向けるように整えることが超大切です。私と同じく、突如発足してDX推進チームに配属された皆さんに声を大にして言いたいこと。既存IT部門の方々に対しては、【こちらから】丁重に歩み寄ることです。実は私は最初からフィフティフィフティの関係性で臨んで、一度大失敗しました。既存IT部門の部長のご機嫌を損ねてしまいました。今、修復に苦労しています汗。ITまわりについては、既存IT部門の方が新参者のDX推進チームよりもはるかに良く現状を理解されています。リスペクトし、教えを乞うことです。社内にDXを推進し、社外にアピールしていく、その最初の最初の入口として、ここは私は非常に重要な勘所だと思いました。私と同じ轍を踏まない様、皆様にシェアです。

人と人とを繋ぐ

このように、人の想いを知る。このことがまず大前提です。そしてそのうえで、個別最適に進んでいる案件を、繋いでいく。どうしたってDX推進は、組織を跨いだプロジェクトになり、それを纏めることがどこかで要求されます。人と人とを繋いでいく、その意識を持ちながら、各所属のキーマンを見つけたり、共有の場を設定していきます。

また、繋ぐのは社内だけではありません。これだけ変化が激しく、求められるものが多様な時代、自社のリソースだけで対応することは良策とは言えません。自社WAYだけでは、幅の面でも、質の面でも、レベルが低いものになる可能性があります。世の中の技術やサービスの多様化、進歩のスピードをなめてはいけません。企業にとって重要な、コアな領域に関しては、外部コンサルやテックベンチャーなど、社外のスペシャリストの力を借りるべきです。では、どうやってそのスペシャリストを選べば良いのかということですが、これはもう、複数社実際にオフラインでもオンラインでもお会いして、自社の課題意識や社風に合うかどうかを見極めるしかありません。また一方で、会社としての契約を見据えたアポイントだけで無く、他にもセミナーや懇親会や知人の紹介など、色々な機会を活用して、社外に人脈を広げることを意識しておくことが大切です。そうしておくと、自ずと自社や自分にとって組みやすいパートナーが、ツテを辿ったりして見つかりやすくなります。

現地現物を知る

DXには3つあると、以前書きました(最後にリンクを貼っておきます)。デジタイザーションにしろデジタリゼーションにしろデジタルトランスフォーメーションにしろ、現況を知っていないと、その価値がわかりません。例えば「調剤フローの間違いを、二次元バーコードを用いて防ぐ」という案件が報告されたとします。これだけ読んでも、内容がわかりません。現場を見て、「今まではこのように業務を進めていたけれど、今はこんな風に二次元バーコードを設置して、このタイミングで読み込むと、ミスがある場合は警告が出てその先進めなくなるんです」みたいな説明を受けてこそ、初めて理解が出来ることです。実はまさに今日、雪の舞う工場を訪れて、このような案件を沢山確認することが出来ました。DXは会議室で起こってるんじゃない。現場で起こってるんだ。織田裕二のモッズコートじゃきっと寒い中、痛感しました。

創業の理念を知り、今に繋ぐ

冒頭紹介した本を読んで、もうひとつ共感したのが、「DXは第二の創業」というフレーズです。物語の中で、主人公は創業者に、創業の想いを聞きに行きます。そして改めてその創業の理念を理解し、デジタルを用いてその理念の実現に動き出します。デジタイザーションやデジタライザーションは理念無くとも現場の効率化の為に自発的に生まれることがあると思いますが、デジタルトランスフォーメーションは、理念無きところには生まれないと思います。デジタルが先では無く、理念が先。デジタルはあくまで手段なのです。デジタルがここまで発展していなかった時代に創業した自社が、今、第四次産業革命と言われるデジタル活用前提のこの時代に改めて創業するとしたなら、どんなことをするだろうか。そう考えてみることがとても大切だと痛感しています。

というわけで、一ヶ月時点でとても今の自分にシンクロしました、「岬ましろ」さん。おっさんですが、自分も頑張ろうと思いました。そんなおっさんの好きなフォークソングは、父の好きだった「岬めぐり」です。山本コータローとウィークエンド。ではまた!

※文中出てきた、3種類のDXについて記した記事はこちら。

degiondx.com