誰かと私の備忘録

40代なかば中間管理職おじさんが、マーケティングやコーチング、勉強中のDXをベースに日々の学びをシェアするブログ

マザーハウス「最後の一品店。」レポ。まさかの出来事でますますファンに!

こんにちは!でじきちです。

マザーハウスというブランドが大好きです。

マザーハウスとは、発展途上国の素材や文化を活かしたモノづくりを続ける、ファッションブランド。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、2006年にバングラデシュから、山口絵理子さんが立ち上げました。2023年現在ではバングラディシュに加え、ネパール、インドネシア、スリランカ、インド、ミャンマーの6か国で、それぞれの国の素材の特色を存分に活かしたものづくりを行っています。主力商品は、バッグ、ジュエリー、アパレル、雑貨など。国内で30店舗展開しています。

そのマザーハウスが、2023年3月にオープンした新しいスタイルのお店が「最後の一品店。」です。「生産したプロダクトを、最後のひとつまでお届けしたい」という想いで生まれたそうです。このニュースを聞いて、うなりました。このチャレンジは、3つの点でスゴいと思います。

<目次>

※お店の方に、写真掲載の許可をいただいております

①「希少性の原理」を刺激

「その存在の少ないものや珍しいもの、つまり、希少なものは、欲しくなる気持ちが大きくなる」。これが希少性の原理と言われるものです。アメリカの心理学者チャルディーニが「影響力の武器」という本の中で提言されました。この「最後の一品店」の店頭に並んでいる商品はすべて再生産予定がなく、ここでで売り切れたら終了となるものばかり。まさに購入意向をくすぐるコンセプトショップと言えるでしょう。

②廃棄ロスを減らす

世のメーカーの大きな悩みである、廃棄。せっかく材料費や人件費といったコストをかけて作った製品を廃棄することになると、企業にとって大きな損失です。特に流行やシーズンの影響を受けやすいアパレルの世界では、如何に廃棄を減らすかを皆、知恵をしぼっています。例えば、シーズン終盤の安売りセールは代表的な施策。アウトレットとして、別店舗で販売することも最近は増えてきました。ユニクロやGAPは、万人に幅広く受ける「ノンセックス、ノンエイジ」「カジュアル」路線でアイテム数を減らし、沢山のアイテムでの廃棄がチリツモになるのを抑えています。ZARAなんかは逆に、一品あたりの生産数を初めから少なめにして、希少性の原理を刺激しながら、値下げをせず売り切ることを理想としています。

そこで今回のマザーハウス。売れ筋でなくなった商品にフィーチャーして売るという面ではアウトレットと同じですが、全然違いますよね。アウトレットは「売れ残ったからいつもより安く買える、ちょっと流行遅れだけど気にしなかったら掘り出し物があるかも」みたいなイメージですが、こちらは①の希少性の原理を刺激することで、新しく魅力を付加している。だから勿論、価格も下げる必要なんて全くない。元々少量生産だったものが、ちゃんと売れ続けて、商品としての世の中に対する役割を果たして次の世代の商品たちにバトンを渡して廃盤になる、という。人生の最後にまた光を当ててもらえるようで、ある意味羨ましく感じるくらいです。

③ますますファンにさせる

上記のように、「レアなものは欲しくなる」という人間の本能である「希少性の原理」を刺激しながら、かつ、生み出したプロダクトを最後の一品まで廃棄せずに生活者に届けるエコの観点からも素晴らしいコンセプト。一品一品の商品に対して、そしてそれを生み出す現地の職人さんに対しての愛情やリスペクトが伝わってきますよね。たった一品さえも、無駄に廃棄しない!という心意気。「さすがマザーハウス!」と、コンセプトを聞いただけで、ますますファンになりました。

また、今回実際に行ってみて、まさかの出来事が。私の愛用しているブックカバーと同じものが、なんと店頭にあったのです!希少性の原理の説明で、「希少なものは、欲しくなる気持ちが大きくなる」と書きました。なんとなんと!それのみならず、「あなたの使ってくれているその商品は希少ですよ」と教えてもらうことで、自分の愛用品の希少性をも高め、愛着の気持ちを大きくさせる効果もここにはあるのです。これは驚きました。さらに、出張時に愛用しているペンケースも、ブラウンは絶滅とのこと。わぁ、これは大事に使わないと、とほんとに愛おしさが増しました。

コンセプトを聞いてますますファンになり。実際に行ってみて、その場でさらにファンになる。すごいコンセプトのお店だなぁと感動です。

お店の方に写真掲載の許可をいただいております

「本店」と「最後の一品店」

今回、秋葉原に出張があったので、念願かなって立ち寄ることができました。ちなみに「最後の一品店」は、秋葉原昭和通り沿いで、「本店」の隣にあります。なので、どちらものぞけて贅沢な体験ができます。最後の一品店見てると、やっぱり普通のお店も見たくなるんですよね。隣に並んでいるのは嬉しいです。(なお、さらに3分ほど足をのばせば、「ジュエリーマザーハウス本店」もあります。)本店では、ジュート展が開催されていました。マザーハウスの始まりの素材であるジュートに想いを馳せる、素敵な時間を過ごすことができました。その間に、愛用バッグの保湿もやってもらっちゃって…。感謝です。

お店の方に、写真掲載の許可をいただいております

両方のお店をハシゴしながら、本店で素敵な初夏色グラデーションのカードホルダーをGET。最後の一品店では、LINEとインスタのお友達登録で素敵なレザーチャームをいただきました。また東京出張の際には立ち寄りたいと思います!

ちなみに自分がマザーハウスを好きな理由を文字化してみたのがこちら。

degiondx.com