この備忘録を共有したいのは
最近自分自身やチームメンバーが”新しいことにチャレンジできていないなぁ”と感じる方
この備忘録を読めば
新しいことにチャレンジする、きっかけとなる考え方を知ることができます
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<目次>
はじめに
「自分の環境だと難しいな」知らず知らずそんな風に考えて、やりたいチャレンジをあきらめたりしていませんか。
「うちの会社では無理ですよね」新しいことを考えても、チームメンバーからそんな言葉を聞くことはありませんか。
私は某メーカーで今、DX推進に取り組んでいます。
そんな私が常々感じること。それは、「我々は、自分で自分たちに『枠』を設定してしまっていることがいかに多いか」ということです。
そのことを教えてくれる、様々な寓話があります。まずは、「カマス理論」について共有します。
「カマス理論」
カマスという魚
カマスって魚、ご存知ですか?こんな魚です。
出典:小学館の図鑑NEO新版「魚」
お寿司ではあまり印象が無いですね。網で獲るのでなく、釣ったものでないと美味しくないのだとか。旬は秋で、見た目もさんまに似ていますね。でも、さんまと違うのは、さんまの主食がプランクトンなのに対して、カマスは小魚。とっても血気盛んなお魚なんだそうです。そこで、こんな寓話が生まれました。
カマスの実験
- カマスがいっぱい泳いでいる水槽をイメージしてください。当然、小魚入れると、みんなが”俺が俺が”と襲って、食べちゃいます。
- そこに、透明な仕切板を入れて、カマスと小魚を分離しました。
- すると、カマスはみんな小魚を襲おうとしますが、透明な仕切板に阻まれてしまい、ゴツンゴツンと頭を打つばかり。
- なんということでしょう。次第に、カマスたちは、小魚を仕切板越しに見ても、襲おうとしなくなるのです。
- さらに!仕切板を外してみると・・・なんと、仕切板は無いのに、小魚を見ても襲わないのです。”どうせ無理だ”って諦めてしまうんですね・・・!
- でも、そこに1匹の「新たなカマス」を入れてみるとどうなるでしょうか。
- 当然、その新しいカマスは、小魚見つけると嬉々として襲って食べちゃいます。
- すると、それを視ていた他のカマスも、また小魚を襲って食べるようになるのです!
得られる示唆
いかがでしょうか。こんなこと、皆さんの職場でもありそうですよね。「うちの会社じゃ難しい」見えない仕切板を感じている場面、ありませんか?
勿論、「何だって見えない仕切板さ!乗り越えられるさ!」なんて野暮な青臭いことは言いません。見えてる仕切板や、実際に存在し続ける仕切板があるのも重々承知しています。でも、考えてみてください。あなたの思い浮かべた仕切板の中には、「実はもう取り除かれている仕切板」が無いですか?
典型的な、気づかないうちに仕切板の取り除かれているケースが、「社長や経営層、上司の考えが変わった」だと思います。前までは駄目だと言われていた、何度も否認されていた案件。それが意外に、今は通るかもしれない。「前と言ってることが違う」そんなことが意外と会社という水槽の中では起こることを、我々はよく知っていますよね。
「仕切板を外す」という宣言が無いままに勝手に取り除かれていることも勿論あるでしょう。でも、意外にこれもあるなと思うのが、社長や経営層は「仕切り板を外す」趣旨のメッセージを放っているのに、現場が勝手に「そうは言ってもきっと変わらんさ」と自分で仕切ってしまうことです。
メッセージが放たれていることを感知したなら、是非、もう一度小魚を追いかけてみる行動に移してみるべきです。もしまた否認されたなら、可能なら、対話してみてください。全否定ではないかもしれない。良い壁打ちになるかもしれません。
私が今取り組んでいるDXはまさにこのパターン。世の中の沢山の社長や経営層が世の中の実態を知って危機感を覚え、一気にDX推進に角度をつけて舵を切る宣言をするものの、現場が仕切り板をイメージしていると、改革は進まない。だからこそ、社長や経営層やDX推進部門は、現場の見えない仕切り板を外すことがまず、最優先事項となります。有効な対策のひとつが「新しいカマス」つまり異なる部門や社外から新しいメンバーを採用すること。あるいは、自分が新しいカマスの役割を意識して担うことです。
これは、仕事のみならず、我々の生き方にも当てはめることができます。家族との関係、自分自身のポテンシャル、等々。過去の経験からの思い込みで、見えない仕切り板を感じていませんか。また、過去のうまくいかなかった経験から、自分で自分の可能性を見えない板で仕切ってしまっていませんか。自分という水槽においては、どうしたって誰かに頼るわけにはいかず、自分自身が新しいカマスになる以外に対策はありません。
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同様の寓話
なお、同じ類の話としてこんなのもあります。
飛べないノミ
- 本来、体長の150倍もの跳躍力を持つノミ。そのノミを何匹か、瓶に入れてフタをします。
- ノミは今まで通り飛ぶのですが、常にフタにコツンコツンと頭打ち。
- そうしているうちに、なんということでしょう。その瓶のフタの高さ以上、ノミは飛び上がらなくなるのです。
- フタを外しても、瓶の高さ以上は飛び上がらないノミたち・・・
- でも、もうおわかりですね。新しいノミを一匹入れてやると、彼が瓶の高さ以上に飛び上がるのを見て、他のノミたちも再び高く飛び上がれるようになるのです。
サーカスの象
- サーカスの象は、生まれたばかりの子供の時から、杭にロープや鎖でつながれて生活をします。
- 何度も逃げようと試みますが、小象の力では、ロープや鎖を引きちぎることはできず。
- そうしているうちに、なんということでしょう。象は逃げようとするのをあきらめてしますのです。大人になった象の力なら、そんなロープや鎖、軽く引きちぎって逃げられるのに・・・
- だから、サーカスの象は大人になってもじっとして逃げ去らないのだそうです。
- この話に、新入りの象は登場しません。彼自身が、自分で気持ちを変えるしかないのです・・・!
全部同じことを示唆してくれますが、私は「カマス理論」が一番好きです。何故なら、「カマシてるなぁ!」「カマシてますね!」などとチョケて言いやすいから笑。新しいカマスになるのはけっこう実はヒリヒリする行為。だから、少しチョケて煽るくらいの雰囲気でちょうどいい。さぁ、往年の「愛しあってるかい!」陣内孝則を彷彿とさせながら、言ってみましょう。自分に。「カマシあってるかぁい!?」と。KinKi Kidsばりに、「カマされるよりもカマシたいマジで」も可。
まとめ
今日の備忘録
新しいチャレンジを試みる際は、カマス理論を思い出して「見えない仕切り板」を察知し、取り除くべし!
晩御飯はカマスの干物焼きだ!
おすすめの一冊
記事に共感いただいた方へのおすすめ本を毎回紹介します。
「ヒットを生み出す最強チーム術」佐藤章
私が「カマス理論」を初めて知ったきっかけの書籍。キリンが世界初のノンアルコールビール「キリンフリー」や「生茶」「FIRE」「アミノサプリ」といったヒット商品をかましていた2009年の出版だが、今読んでも全く色あせない。カマス理論以外にも、インプットシャワーの浴び方など、商品開発以外にも通じる金言が沢山!