誰かと私の備忘録

40代なかば中間管理職おじさんが、マーケティングやコーチング、勉強中のDXをベースに日々の学びをシェアするブログ

マーケティング視点で観た「紅白」と「ジョブチューン」

こんにちは!でじきちです。

年末年始はのんびりとテレビを視てました。紅白歌合戦は皆さん視られましたか?ジョブチューンは?超無責任に、感じたことを徒然と。

<目次>

「紅白歌合戦」のターゲットは誰か?

NHKの紅白歌合戦。ここのところ毎年年末になると、いったい紅白は誰をターゲットとしているのか?といった内容の記事をWEBや雑誌でよく見ます。自分が大学くらいまでの頃は、演歌の北島三郎さんや五木ひろしさん、森進一さんが白組にドンとおられて、紅組も伍代夏子さん、香西かおりさん、藤あや子さんらが彩っておられました。小林幸子さんと美川憲一さんの衣装対決が定番で、和田アキ子さんやさだまさしさん、松田聖子さんらも常連でした。「家族みんなで」をスローガンとしながらも、コアのターゲットは自分の親世代となんとなく感じており、実際、親も楽しそうに視ていた記憶があります。それが、いつ頃からか演歌の方々が出られなくなり、自分もわからないような方々が増えてきて、紅白が迷走しているような、そんな印象を私もずっと抱いていました。でも、今回、感じたのです。「あ・・・、ターゲットは、まさに自分だ」と。工藤静香さんの歌声にはびっくりしました。私が中学の頃に聞いていた歌声そのまま。OBCブンブンリクエストで毎日宿題しながら聞いていた、当時の実家の自分の部屋に一瞬で連れていかれた気分でした。篠原涼子さんも同様、こちらは高校の青い夏にタイムスリップ。小室哲哉さんのピアノも感慨深いものがありました。大好きな桑田佳祐さん率いる時代遅れのRock'n'Roll BANDは勿論最高でしたし、加山雄三さんのカバーも素敵でした。その他にも、マーチンにユーミン、安全地帯、白い雲のように、トリは福山雅治さんといった塩梅。さらに、子供が好きな鬼滅やドラゴンボールにワンピースも登場ということで、今年の紅白は随分楽しめました。

最近は、紅白に対してダメ出しの記事ばかりでげんなりします。cocomiさんを出すのが親の七光りで良くないだ、今年活躍してないのに工藤静香さんや篠原涼子さんが出るのが良くないだ、だから視聴率が悪いのだと。テレビ自体が視られなくなり、YouTubeやPrimeVideoやAbemaTVなどなどの様に競合も多くなってきた昨今、視聴率はどうしたって昔のようにはいかないでしょう。個々人も、サービスも、全てが多様になった今の時代に、全属性に向けたマーケティングなんて、どの業界でももはや不可能。だからNHKは毎年、コアターゲットを宣言したら良いのになと今年の紅白を視ていて思いました。「今年の紅白のコアターゲットは、40代の頑張る中年の皆さんです!なので、ターゲットの中年の方が喜んでくださる方を優先して選抜します!」と言ったら、選抜基準がどーたらこーたら言われないのでは、と超無責任に感じた次第です。

「ジョブチューン」はファン産生コンテンツ

元旦はジョブチューンを視ていました。今回はローソンとスシローでしたが、改めて両企業のファンになりました。この番組、ボロクソに批評されて可愛そうだと思うこともありますが(価格やTPOを無視した批評の場合が多いように感じます)、企業にとっては相当プラスの大きい番組だと思います。なぜなら、

①物語を見せることが出来る

合格するかハラハラさせる実況やBGMは勿論のこと。自信のある品が厳しい意見を浴びて合格せず、リベンジに臨むという商品がいくつか出てきます。これがドラマとしてわかりやすい。今回もローソンのミルクワッフルコーンがリベンジに成功しました。印象に残っているのは、前回同じくローソンが生ガトーショコラのリベンジに挑んで、見事成功した時のこと。審査員の土屋シェフがしばしコメント出来ずに目頭を押さえ、「(我々の言うことを)素直に受け取ってすぐに何度も実行するということは出来そうで出来ない。それをやって、ここまでの味に持っていくってことは素晴らしい・・・こんな部下が欲しいなって思いました」と涙ながらに称えていました。これには、ローソンの皆さんも審査員の皆さんもスタジオの皆さんも、茶の間の私も感動でした。

②透明性を伝えられる

素材や製法への拘り、実際に作っている風景、そしてなにより従業員の泣き笑う顔が見えるということで、普通なら生活者に伝えられないことまで「透明性」を持って伝えられる。演出は勿論あるとはいえ、これもこの番組の大きな魅力だと思います。

これからのマーケティングのキーワードとして、「透明性」があると思っています。予測不能なVUCA(Volatility:変動性 / Uncertainty:不確実性 / Complexity:複雑性 / Ambiguity:曖昧性)と呼ばれ、モノを見る目がシビアなZ世代が購買層になってくる時代。企業からの上っ面だけのメッセージでは、信じてもらえません。少し前からスーパーの野菜が生産者をアピールするものが多くなっているのをお感じの方は多いと思います。赤城乳業がガリガリ君10円値上げを、社長をセンターに全社員で謝罪するというインパクトの強い広告で訴求したのは2017年。“Radical Transparency(徹底した透明性)”を企業理念に掲げるのはサンフランシスコ発の D2C アパレルブランド、エバーレーン。公式サイトですべての商品の生地やファスナーなどの素材、工場での人件費、関税、輸送費 の原価まで公表し、利益が一目でわかるという、驚きの透明性。右肩あがりに成長を続け、EC のみで 2021 年度の売り上げは約 115 億円に到達しています。同じアパレルで、私の好きなマザーハウスは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念とし、お客様に、現地工場の職人と一緒に世界で一つだけのエコバッグやストールを作るツアーを実施しています。また、YouTubeでは嘘偽りの効かない一発録りの「THE FIRST TAKE」や、スッピンからの変貌をありのまま見せるメイク動画も人気。これからは、透明性のない企業やコンテンツは、淘汰されていくと思います。

 

そんなわけで、番組終了後、すぐさま満場一致合格の「濃密カヌレ」と「濃密プラリネ」を買いに元旦のローソンに走ったのでありました。美味しかった!

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ではまた!