誰かと私の備忘録

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Mrs. GREEN APPLE『The White Lounge in CINEMA』40代おじさんの感想文。

中学生の長男とMrs. GREEN APPLEの映画『The White Lounge in CINEMA & 舞台挨拶ライブビュー中継』を観に行ってきました。

いやぁ…すごかった、実に素晴らしかった。私は『The White Lounge』のライブには参戦できておらず、初めて映画で目の当たりにしたのですが、圧倒されました。歌も演奏もダンスも、そしてなんといってもミュージカル仕立ての世界観。一曲一曲が物語で、本当に、劇団四季や宝塚のよう。

備忘録として、本映画を観て感じたことを。

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<目次>

楽曲の奥行き、追体験

舞台挨拶の際に「楽曲たちの奥行きを示す」「追体験をしてもらう」みたいな話がありました。そのとおり、いろんな角度から楽曲にじっくり浸れる、贅沢な時間でした。

今、私が大好きな楽曲のほとんどは90年~2000年代前半JPOPで、自分の多感な青春、大森くん流に表現すると“青”とリンクしています。だから、自分の人生の瞬間や経験、その時の感情が楽曲とぐるぐる巻きに、羽交い絞めのように交わっていて、おのずと深い奥行きや極上の風味を今でも味わわせてくれる。

でも、ミセスはそうじゃない。歳をとり平凡な日々を送る私の体験や感情は、楽曲の魅力にオンしない。曲のチカラだけでこのおじさんの心の近くまでやってきたのだ。そして、今回の映画で極上の追体験・奥行きを味わわせてくれたことで、ぎゅーっと心の中まで触れられた。最近のアーティストの楽曲では得られなかった、初めての経験です。

歳をとったって、私も”青”だ

そして今回の映画は、私の枯れかけていた多感な気持ちを思い返させてくれた気がします。何も、若い頃の青春だけが“青”じゃない。そんなに自分は、あの頃思い描いていた完全な大人になっていない。家族にも、仕事にも、人生にも・・・。今も、青さが自分の中に多分に残っています。もちろん、10代20代30代40代と経て、辛い色、酸っぱい色、暗い色、色々パレットの上で混じりました。悪く言えば澄んでなくて汚くなった、良く言えば深みが出た。でも、遠目に見ればやっぱり“青”。

パレットがかぴかぴに乾ききっていると自分で勝手に悟らず、その”青”に、筆を運んでみよう。そして、今のキャンバスに今の自分の“青”で、描いてみよう。具体的に言うならば、若手時代のように失敗を恐れず新しい仕事にドキドキワクワクしながら挑戦することだったり、妻と出逢った頃、子供たちが生まれた頃の気持ちを思い出して日々を過ごすことだったり。ほかにも、ほかにも。

そんなことを想いながら改めて、今回の映画には登場しないけれど『ライラック』の歌詞を思い出すと、下記のフレーズが響きます。

あの頃の青を 覚えていようぜ

苦みが重なっても 光ってる

(Mrs. GREEN APPLE『ライラック』歌詞より引用)

大森くんが、「ミセスの楽曲は全部、歌っている根源にあるものは同じ」とインタビューで話していました。そうか、だから今回『The White Lounge in CINEMA』を観て抱いた感情が、本編に登場しない『ライラック』の歌詞にリンクするのか。そもそも、「Mrs. GREEN APPLE」というバンド名は、「いつまでも熟さずに青りんごのような気持ちでやっていきたい」と名付けられたといいます。ダメ押しをされた気分。この映画を観る前から、そんなことはとっくに、バンドが結成された当時から、メッセージは放たれていたんですね。

映画を観てさらに好きになった曲

元々好きだった楽曲に『Just a Friend』があります。今回の映画を観て、ますます好きになりました。イメージしていた世界観にぴったりの音楽劇が繰り広げられ。観ていて思わず微笑んでいました。ちなみに長男もこの曲が好きだそうで、趣味ってやっぱり似るのかな?これまた少し嬉しい。

そして、今回映画を観てすごく好きになった曲が『Coffee』。ネタバレになるので詳細伏せますが、お付き合いをしたり夫婦生活したりしている中で必ず感じる、輪郭のない、言葉にできない感覚を絶妙に演じてくれます。そもそも、そういう感覚を歌っている曲だとこの映画を観る前は認識していませんでした。この曲だけでなく、「あぁこの曲はああいう場面のああいう気持ちを歌っていたんだ」と気づかされることが他にもたくさん。音楽劇のチカラだとしみじみ思います。

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ミセス と ミスチル、サザン

「Mrs.」と「Mr.」。そんなことだけじゃなく、なんだか、ミセスに想いを馳せていると、私はミスチルが頭に浮かびます。

ミセスは、人気絶頂の2020年に活動休止をします(理由が、自分たちが成長するよりも前に消費されていくのが怖かったとのこと。そして2年間、各人がインプットの時間とし、実力を高めて再集結・・・映画に曲提供したONE PIECEさながら。尊敬します)。

ミスチルも1997年、人気絶頂時に活動休止しました。その人気、売れ方は、まさに今のミセスに通ずるところがありました。また、数作のドキュメンタリー映画も公開しています。ミスチルは、上述した私の青春真っ盛りに聴きまくっていたので、宝物のような曲がいっぱいあります。そして、今も現役で新曲を出し続けてくれている。ミセスもこの先きっと、息の長いバンドになるでしょう。私の楽しみが増えました。

私がミスチルの映画『【es】Mr.Childrem in FILM』を特集したNHKの特番を観ていたとき、隣で今は亡き父も興味深そうに画面を眺めていたのを覚えています。私が今ミセスの映画を観て"青”に想うようなことを、父も何かしらミスチルの”es”に想い巡らせていたのでしょうか。

こうやって、音楽は時代や世代をまたぎ、繋いでいくんだなぁと思います。

そういえば、私が大好きなサザンオールスターズは私の生まれた翌年にメジャーデビュー。ミセスは、長男が生まれた翌年に活動開始。長男にとってミセスは、私にとってのサザンみたいな存在になるのかもなと思います。

最後に

というわけで、Mrs. GREEN APPLE『The White Lounge in CINEMA』の感想でした。観た人それぞれがきっとそれぞれの感想や考察を抱ける、この映画・ライブ自体が深い奥行きを感じさせる作品でした。舞台挨拶もリアルタイムだったのでとても臨場感があり、ちゃんと全国のライブビュー会場にも触れてくれて嬉しかったです(大抜卓人さんのお顔を拝見できたのも嬉しかった)。

自分の”青”を取り戻し、明日からまた『ニュー・マイ・ノーマル』な日々を歩いていきます!