この備忘録を共有したいのは
うすうす自分でも「やめた方がいいんだろうな」と気付いているのにやめられない、そんなことが仕事でもプライベートでもよくある人
この備忘録を読めば
その現象が『コンコルド効果(サンクコスト効果、埋没費用効果)』と呼ばれる、誰でもおちいりがちな心理現象だと理解することができます。また、その対策と注意点も知ることができます。
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<目次>
- はじめに
- 『コンコルド効果』とは
- 『サンクコスト(埋没費用)効果』とは
- 日常生活における身近な例
- コンコルド効果を狙ったビジネス
- コンコルド効果から抜け出す、効果的な対策5選
- コンコルド効果をプライベートで意識する際の注意点
- まとめ
- コンコルド効果をネタに!?かまいたち
はじめに
皆さんはこんなことありませんか?「ここらへんでやめといたほうがいいんだろうな・・・」と気づきつつも、なんだかやめる踏ん切りがつかず、やり続けてしまうこと。私もいろんな場面でよくあります。
実はそれは、『コンコルド効果』『サンクコスト(埋没費用)効果』と呼ばれる、誰でもおちいりがちな心理現象なんです。
『コンコルド効果』とは
『コンコルド』は、1970年ごろにフランスとイギリスが共同開発した超音速旅客機。多額の投資を行い、旅客機として世界で初めて音速の壁を超えるなどスケールの大きなプロジェクトでした。ただ、開発を進める過程で、音速を実現する為の燃費の悪さや乗れる人数の少なさ、乗り心地の悪さ、維持費の高さなどの問題が次々判明。明らかに採算が取れないことが、開発途中で判明していました。
しかしながら。それまで投資した費用を惜しんで、開発は中止されずに運航にこぎつけたのです。結果、予想通り事業はうまくいかず、最終的に膨大な損失を出して企業は倒産しました。
この事例になぞらえて、損失が出るとわかっていながら、それまでの投資を惜しんでそのまま投資を続けてしまうことを『コンコルド効果』と呼びます。
『サンクコスト(埋没費用)効果』とは
『コンコルド効果』とほぼ同じ意味で使われるのが、『サンクコスト(埋没費用)効果』です。『サンクコスト(埋没費用)』とは、事業や行為にこれまでに投下した、戻ってこないコストや費用のこと。必ずしもお金だけじゃなくて、かけた時間や労力のことも含みます。投資してしまった事実は変えられない。本来なら、今後の意思決定とは関係ない、影響を及ぼさない要素です。
でも、意外にこの『サンクコスト(埋没費用)』に未練を感じて、論理的な思考にフタをして、事業や行為を続けてしまうことが多いのです。
前述の旅客機『コンコルド』事業もまさにそうですね。赤字事業を継続したり、売れない調査結果が出ている新製品を発売してしまったり・・・。皆さんの会社でもそんなこと、ありませんか?
日常生活における身近な例
ビジネスシーンでよく話題になるコンコルド効果ですが、こんなこと、日常の場面でもいっぱいあります。たとえば…
- これだけお金使ったからもうそろそろ成功するはずだと思って続けちゃう、ゲームセンターのスロットやUFOキャッチャー
- ここまで課金してきたから、と飽きても続けるスマホゲーム
- 数話観た、読んだからと惰性で続けるドラマや漫画
- 折角お金を払って入場したからと、少し観てつまらないとわかった映画を最後まで観てしまう、なんなら寝て過ごす
- ランチで、ここまで並んだからもう少し待とう、と同じ店で並び続けて昼休み明けの会議に間に合わず
- 食べ放題飲み放題プランの元をとろうと、しんどいくらいまで食べ飲みすぎる
- 衝動買いした洋服を家で改めて着てみたら絶望的に似合わないけれど、折角買ったからと着続ける
- ここまで我慢してきたからと、転職や恋人との別れに一歩踏み出せない
- 受験勉強、ここまで4教科頑張ってきたんだからと、3教科に絞ることをためらう
- ここまでフォロワーさん増やしてきたんだから、と面倒でも続けるSNS
などなど。これら事例以外にも、皆さん思い当たるふし、ありませんか?
コンコルド効果を狙ったビジネス
逆に、誰もがおちいりやすいからこそ、コンコルド効果を狙ったビジネスが世の中には溢れています。以下のようなサービスに関しては、無駄にコンコルド効果におちいらないよう、消費者としては注意しながら、利用するようにしましょう。
- 無料お試しで、しばらく使って生活になじませる
- ポイントカードで、貯めたポイントをもったいなく感じさせる
- 会員ランクを設定し、せっかくここまでのランクになったのだからと感じさせる
- ついつい全種類集めたくなるようなオマケをつける
- 健康や学習などの記録をつけさせて、途中でやめるのを面倒に感じさせる
などなど。他にもいっぱいあると思います。
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コンコルド効果から抜け出す、効果的な対策5選
では、コンコルド効果におちいってるかもな・・・とうすうす感じている時に抜け出すためにはどうすればよいでしょうか。あるいは、そもそもコンコルド効果におちいらないために留意することは。下記対策が効果的です。
① ゼロベースで検討する
今までの投資を強制的に忘れて(なかったことにして)、一旦白紙に戻して今の現状を見つめ直してみましょう。たとえば下記のやり方で、冷静に考えてみてください。
- 続ける場合とやめる場合、それぞれのメリットとデメリットを表にして書き出してみる
- ビジネスなら、今後の損益の予測を計算してみる
② 撤退基準のルールを設ける
「〇年赤字なら、もうやめる」「〇千円まで使っても勝てなかったら、もうやめる」「あと〇分観てみて面白くなる気配がなかったら、席を立つ」みたいに、やめる撤退基準を設けるのも、ひとつの対処法です。決めたからには、けっしてダラダラと続けないように心がけましょう。
③ 他人にアドバイスをもらう、自分自身にセルフコーチする
テレビでプロ野球中継を観てると、「ここまで引っ張ったからもう1人だけ抑えてもらおう」と明らかにピッチャー交代のタイミングを逃してる監督、いますよね。あれは、私たちは現場から離れて客観的に冷静に観てるからわかること。意外に、当事者だと気づけないものです。
つまり、自分以外の、客観的にアドバイスしてくれそうな誰かに相談できればGOODです。とはいえなかなか、相談しにくいことも多いですよね。そんな時は、自分の中にもうひとりの自分をつくってみましょう。もしもあなたが、自分の「信頼できる相談相手」だったらば、今の自分自身にどんなアドバイスをするか。一歩離れた目で少し客観的に、冷静に考えてみましょう。
④ 今やっていることの目的を思い出す
今やっている、それは何かの大目的のための手段だったのではないですか?もしもそうなら、あなたが今こだわっているのは、手段が目的化してしまっているとは言えないでしょうか。
たとえば、惰性で続けている定例会議、そもそもの目的はなんだったか?食べ放題プランを注文したのは、美味しく満足するのが目的であって、限界まで食べることが目的ではないはず。
目的と外れた手段を無駄に続けるのはナンセンスだということに、気づけると思います。
⑤ 定期的に、コンコルド効果におちいっていることがないか見直す
定期的に、自分が『コンコルド効果』におちいっていることがないか、たった5分でもよいので、考えてみる時間を設けてみるのがおすすめです。私は毎月、月末に考えてみることにしています。
最近やめたことは、寝る前に漫画アプリを開くこと。最初はちょっとしたリフレッシュ目的でやっていたのですが、気づけば、読んでる漫画が増えてきて、読み始めてるからには続きも読まなきゃ損した気分、とばかりにしゃかりきにいくつもの漫画を追っかけていました。思い切ってアプリを消去してみたら、脳みその空き容量が5%くらい増えた気がしました笑。
コンコルド効果をプライベートで意識する際の注意点
と、ここまで、コンコルド効果はさもよくない、という文脈で話をしてきましたが、何もかもコンコルド効果で片付けてしまうのもよくない、というか味気ない人生だと私は思います。特にビジネスでなく、自身のプライベートにおいては。
将来プロスポーツ選手を夢見る子供たちがみんなこんな考え方だったら、スター選手は生まれないでしょう。エジソンがコンコルド効果を意識してたら、偉大な発明の数々は誕生しなかった。M1王者になったあの漫才コンビも、SNSで万バズを叩き出しているあの人も、コンコルド効果がちらつきながらも、ずっとやめずに続けたから今があるというのも真理だと思うのです。
また、恋愛など「好き」という気持ちが関与する場合、理屈ではなく、自分の気持ちに正直に生きることも大切だと思います。
だから私は、コンコルド効果を考える際は、次のふたつのことも忘れずに意識しています。
① 自分の人生の大目標を思い出す
コンコルド効果におちいらないために、先程「今やっていることの目的を思い出す」と書きました。それはたしかに効果的です。でも、そのさらに上段の、「自分の人生の大目標」も見失わないでください。
私は、人生の大目標は「しあわせであり続けること」だと思っています。
それからズレていなければ、いいじゃないですか。目標のプロになれる確率は限りなく低いけれど、今、仲間とチームで練習しているこの時間が楽しい。自分が設定した結婚相手の条件と異なるのは明白だけど、なんだか一緒にいてしあわせ。いいじゃないですか。
② 考え方はあくまで「ツール」
『コンコルド効果』という考え方を知ること、そして、その対策を知ること。それはとても有用なことです。「あぁ、自分のこの感情はコンコルド効果というんだな」と理解して状況把握するだけでも、ずいぶんとスッキリします。
でも、それがすべてだと思わないことです。自分の気持ちに正直になって、人生の大目標からもズレていてやめたいのにやめられないことがある際に、この考え方を持ち出しましょう。「ハンマーを持つと、何を見てもすべては釘に見える」という言葉があります。考え方や理論はあくまでハンマー同様、ツールにすぎません。すべてのことにあてはめてしまわないように。
まとめ
今回の備忘録
やめるべきだとうすうすわかっているのにやめられない。せっかくここまでやってきたんだからと続けてしまう。これは『コンコルド効果』『サンクコスト(埋没費用)効果』という、誰もがおちいりやすい心理現象です。自身がその状態にあると理解して、ゼロベースで考える、客観的に自分にアドバイスしてみるなど、しかるべき対策を実施しましょう。ただし、プライベートにおいてすべてにこの考え方をあてはめるべきではありません。自身の状況を適切に把握して、良い判断がくだせるよう、この考え方をツールとしてうまく活用しましょう。
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コンコルド効果をネタに!?かまいたち
最後に余談ですが、このコンコルド効果を語る際に私がつい思い浮かべちゃうのが、かまいたちのセブンイレブンCM。
からあげをお勧めする店員の濱家さんに、「いや、ここまでずっと勧められても買ってこなかったから、今買うとこれまで買わなかったのが損した気分になるから買わないです」って山内さんがごねる、いかにもかまいたちらしいコント。2019年M1決勝ネタの「これまでトトロ観たことない」も近いかも。
『コンコルド効果』も『サンクコスト効果』も『埋没費用効果』も覚えにくい。
これからは、私は『かまいたち効果』って呼ぶことにしようかな笑。
