この備忘録を共有したいのは
仕事やプライベートで、なんとなく自分に自信が持てずにいる人
この備忘録を読めば
落合博満さんの考え方を通して、自信を持つために必要なことを知ることができます
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<目次>
はじめに
皆さんは自分に自信がありますか?
私は小さい頃から、自分に自信が持てない方でした。体育の授業も、勉強も、恋愛も、ゼミの研究も、入社してからの仕事も。
でも、今は、すべてではないですが、「自信がある」と言えることもあります。
「自信」とは、「自分を信じられること」。
そして、自分を信じるためには、努力をすること。努力を尽くした、と自分で思えること。
結論はとてもシンプルなのですが、そのことを私は、大好きな落合博満さんから学びました。
講演会での衝撃
私にとって落合さんとは、いつも自信満々で、ビッグマウスと言われながらも高い高い目標を掲げ、実現させていく、いわば天才。そんなイメージでした。
でも、約25年前に聞きに行った講演会で落合さんが話された内容は、それはそれは泥臭くて。
「オレ流」と呼ばれる生き様は、「自分を信じる=自信」に強固に裏付けられている。
そしてその「自信」は、落合さんの泥臭い「努力」による賜物なんだと、衝撃を受けました。
さらにその「努力」は、泥臭いのだけれど、けっして根性論ではなく、筋の通った考え方に基づくものでした。
当時大学生だった私。それから、落合さんの本をたくさん読み漁りました。
学びになる、落合哲学6選
以下、特に私が大切にしている落合さんの考え方を、現役時代の背番号にちなみ6つ、紹介します。
① 前向きにもがき苦しみ、色々試す
落合さんは、実は入団しばらくは泣かず飛ばずでした。そんな中で落合さんは、中南米で開催されるウィンターリーグの参加を監督に直談判したり、左右両打ちのスイッチヒッターにチャレンジしたりと、できうる試行錯誤やチャレンジはなんでもトライしていました。華々しい活躍のイメージが強い落合さんですが、もがき苦しんでいた時代があったのです。
そして3年目。セカンドのポジションが空きそうだとみるや猛練習し、未経験だったにもかかわらず、セカンドでレギュラーを勝ち取りました。たくさんの試行錯誤やチャレンジの中のひとつが功を奏したのです。
逆境でもくさらず、前向きにもがき苦しみ色々試す経験は、すぐに結果が出なくとも、必ず自分の生きる力になる。そのことを教えてくれます。
私も今、新しい職場で、新しい上司や仕事の仕方に慣れずもがき苦しんでいます。けれど落合さんのように、「前向きにもがくことがいつか報われる」という成功体験を自分自身も今までに何度も経験しているので、今回も前向きにもがいてやろうと思います。
② 不安だから成長する
選手として監督として、ここまで圧倒的な実績を残している落合さんでさえ、「不安もなく生きていたり、絶対的な自信を持っている人間などいない」とおっしゃいます。
現役時代は少しでも良い成績を残すために、「野球という仕事にとりつかれていた」とのこと。
監督になって最初のキャンプでは、週休1日の猛練習のスケジュールを組み、優勝をはたしました。
不安だから練習する。練習するから成長する。
結果、不安は薄れ、自信が生まれていくんだと思います。
③ 達成不可能に思える目標を掲げる
「三冠王をとる」と、引退するまでずっと言い続けた落合さんらしい言葉です。
ギリギリの目標だと「ノルマ」になってしまう。ノルマは義務感が伴う。ノルマはあくまで通過点だと感じられるような、それくらい目標は高く掲げるべきだと。
結果的にそれが、高い成果を叩き出す近道なんだと思います。
日本が世界一になったWBCについても、「栗山監督が『世界一獲る』ってずっと言い続けたことが大きかった」とコメントされていました。
結果、掲げた目標が達成できなくても仕方ない。落合さんが3冠王を獲得したのは20年の現役生活の中で3回ですし、監督としての優勝は8年のうち4回です。
ただ、どんなときも高い目標に向かって、最善、努力を尽くしたと自分を信じることができるかどうか。ここが、大切なのだと思います。
④ “勝利の方程式”ならぬ“勝負の方程式”
「絶対に勝てる方法=勝利の方程式」は存在しないけれど、「勝負を少しでも優位に戦っていくための原理原則=勝負の方程式」はある、と落合さんはおっしゃいます。
勝負に絶対はない。しかし、「勝負の方程式」を駆使して最善の策を講じていれば、仮に負けても、次に勝つ道筋が見えると。
2007年、対日ハムの日本シリーズ。8回まで完全試合を達成していた山井選手を、スパッと抑えのエース岩瀬選手に代えた。これは山井選手の指のマメがつぶれていたことや、日ハム打線の球の捉え方の変化、岩瀬選手の状態など、総合的に考えた「勝負の方程式」が出した答えだったのだと思います。
がむしゃらに行動することだけでなく、考えに考えつくすことも努力。普段から、最善を考える努力をされているからこそ、自分の采配を信じ切れるのだと思います。
⑤ まずは目の前の仕事にベストを尽くす
落合さんいわく、「上司との人間関係に悩むことはあって当然と思うべし」。実際、落合さんも入団当初は当時の山内監督にバッティングフォームを全否定されたり、その後も色々な監督と、常に蜜月ではありませんでした。
そんな時、部署異動や転職を考える人もおられるのではないでしょうか。人間関係が耐え切れない場合は何をさしおいても逃げるべきだと思いますが、そこまででない場合はむしろ、仕事に対する自分の適性みたいなところが鍵になってきたりします。
「転職が当たり前になってきた今の時代、この仕事・この会社に留まるべきか、別の道を探すべきかを、自分で判断せねばならない」と落合さんはおっしゃいます。
その為には当然、自分を信じる、自信がないと判断できないですよね。
落合さんの提言は、まずは「普段から目の前の仕事にベストを尽くし、自分のパフォーマンスを高めていくこと」。なぜならそうすることで、「独りよがりででなく、客観的な視点でも(ここに自分がとどまるべきか)判断ができるようになる」からだそうです。
「自信」は、まずは自分が自分に対して持つものですが、客観的にみても優れている、いわゆる「自他ともに認める」レベルになると一流ですよね。
そのためにも結局、まずは目の前の仕事に打ち込む努力なんだなぁ、としみじみ思います。
⑥ ミスを叱らず手抜きを叱る
「ミスはするもの。そこからどう学ぶかが間違っていなければ問題ない」と落合さんはおっしゃいます。ただし、「自分のできることをやらなかった場合はまずい。注意しなければ気づかないような小さなものでも、“手抜き”を放置するとチームには致命的な穴があく」と。
私も会社の自分のチームで、現場に直行の時は定時よりも遅くに出勤してくる、店周りと称する不要な外出が多い、やった感だけ出すような資料を作るなど、1人のそんな少しの手抜きが、チームの雰囲気を悪くすることを経験したことがあります。
努力していてもミスはする。結局、落合さんは努力を大切にされているんだなと思います。そしてそれは、落合さんの「オレ流」ではなくて、世の中の原理原則なんだと思います。
以上、6つの落合哲学を紹介しました。
落合さんの言葉は、愚直に頑張る日々に勇気をくれる。スポーツに従事する人やビジネスマンだけでなく、頑張ってる多くの皆さんに知ってもらいたいです。
まとめ
今回の備忘録
「自信」とは「自分を信じられる」こと。そのためには、「努力」が必要。
健全に不安を感じ、高い目標を掲げ、手抜きせず、目の前の仕事に打ち込む。逆境でも前向きにもがき苦しみ、最善のための考えを尽くす。
そして、「最善・努力を尽くした」と自分で納得する。これが「自信」になる。
ちなみに、私が落合選手の現役時代で1番記憶に残っているのは、応援する巨人に落合さんが来てくれた1994年、”国民的行事”と呼ばれた、130試合目ゲーム差ナシで雌雄を決する中日との10.8決戦でのホームラン。勢いに乗ってる中日、しかもピッチャーが当時打てる気がしなかった今中慎二投手、そんな中で先制のあれは痺れたなぁ…。
おすすめの一冊
記事に共感いただいた方へのおすすめ本を毎回紹介します。
今回は、たくさんの落合さんご本人が執筆された書籍の中で特におすすめの1冊と、スポーツライターの方が書かれた読み応えある1冊と。
「采配」落合博満
「自分の人生を采配できるのは他ならぬ自分だけ。第三者介入の余地はない。ならば、一度きりの人生に、悔いのない前向きな采配を振るべきでないか」(本文より)。
今回の主題である「自信」を持って、悔いなく「采配」を振るう。これが、世の中には「オレ流」と捉えられているのだなぁと感嘆します。
「嫌われた監督」鈴木忠平
8年に渡る監督時代、12人の選手、スタッフとの物語を描いたノンフィクション。落合監督の、努力する選手たちへの愛情に満ちた一冊。読み応えあり。しみじみ、当時の中日は良い監督、良いチームだなぁと思う。私は巨人ファンだけど。