誰かと私の備忘録

日々の仕事と暮らしからの気づきや学びを「備忘録」として、同じ悩みや境遇の方向けにシェア◆おすすめ書籍も紹介◆大手企業にてマーケティング20年、現在はDX推進課長◆家ではポンコツ、妻と息子たちに教わることばかり◆昭和平成カルチャー好き◆日本マーケティング協会マイスター|生涯学習開発財団認定プロフェッショナコーチ|DXパスポート

3つのDX!デジタイゼーション/デジタライゼーション/デジタルトランスフォーメーション

この備忘録を共有したいのは

・「DX」に興味を持ち始めた人

・「DX」を推進することになったものの、具体的に「DX」ってよくわからない人

この備忘録を読めば

「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション」の違いが理解できます

<目次>

はじめに

皆さんはご存じですか?「DX」に3種類あるなんて。今回、それぞれについて説明します。DXをこれから勉強しよう、理解しようとしている方の最初の一歩のご参考になれば嬉しいです。

DXには3段階ある!

私は20年間マーケティング畑でしたが昨年DX推進チームのリーダーに異動となり、まずはDXに関する本を読み漁りました。その中で、最初に「そうなんだ!」と驚いたのが、上でも書いた、「DX」に3段階あるということです。

デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーション

早口言葉!?かろかっくいいけれ的なデジタル五段活用!?最初に1冊読んだ時は、その作者の独自の説だなんて思っていましたが、DXに関するどの本を読んでも、そう書いてある。そもそも、経済産業省がリリースしています。

その3段階というのが、こちら。

出典:「DXデジタルトランスフォーメーション レポート2」(経済産業省)

この3段階について、色々な人が色々な言葉の定義をして、色々な事例をあげておられます。ただ、人によって事例の解釈が異なったりもあり、わかりやすい絶対的な定義はありません。大事なことは、このそれぞれのコトバを振りかざしたり踊らされたりするのではなく、自分の中で一定の理解と線引ができていていることだと私は思います。

今の自社や自部門の現状に対し、どの段階の施策に取り組むのがふさわしいか。どの段階が手薄になっていないか。そういったことを、この3段階を意識して整理することが大切です。

ちなみに私の理解としてはこんな感じ。

① デジタイゼーション

単なる、アナログのモノやコトのデジタル化。

【例】

紙の資料をPdfなどのデータにする。

印刷してハンコを押していたのを、電子印ですませるようにする。

分厚い高速道路マップを、カーナビに盛り込む。

② デジタライゼーション

デジタルを活用した、業務や既存ビジネスの改善。

【例】

売上データをデジタル管理して、発注数の予測に反映させる。

お客様相談室の対応を、学習したAIチャットボットにさせる。

リアル集合必須だった研修を、オンラインでのウェビナーで開催する。

薬の処方検討をAIに、調剤をロボットにさせてミスなく効率も上げる。

③ デジタルトランスフォーメーション

デジタルを活用した、顧客体験(UX:UserExperience)革新による新しいビジネスモデル創出。どちらかというと、トランスフォーメーションが目的で、たまたま手段がデジタルだった、というイメージ。

【例】

カーシェア。登録を行った会員間で車を共同で使用するサービス。ユーザーは車の維持費が不要であり、多彩な車種を気分に応じて選べる。

ウーバーイーツ。アプリを使ったフードデリバリーサービス。加盟レストランは配達員を雇わずにすみ、配達員はスキマバイトができ、生活者は数多のレストランからスマホで簡単に注文ができる。

バーチャルメイク。AR(拡張現実)を活用し、実際に美容部員さんと対面でメイクせずとも、疑似的に画面上で自分の顔にメイクを一瞬でほどこせる。

VR内見。不動産の土地や建物をVR(仮想現実)で、遠く離れた現地に行かずとも大量の物件を下見可能にする。

3段階を知ることが整理に役立つ

上記①②を「デジタル化」や、「デジタルオプティマイゼーション」と纏めることもあります。①②がもたらす効果は、企業にとって業務効率改善や生産性向上、コスト改善。社員や生活者にとっても、利便性が高まることが多い。

③は生活者に新しい便益や価値を提供し、結果として、企業は競合優位を獲得します。

イメージとしては、CDをダウンロード可能な音楽データにするのが①。音楽データを配信サービスするのが②。それだけじゃなく、過去の履歴に沿って好みの音楽を提案するサービスを提供する、までいって③だと私は思います。

ただ、上の事例達も本やWEBページによって解釈が異なる場合があります。繰り返しですが、①②③のどれに当てはまるかの正解を追い求めることは重要でなく、考え方を知っておくことが大切だと思います。

注意した方がよいのは、「DX」というビッグワードに、①②③全てを意識せず内包してしまっている場合。実際、そんな企業も多いのではないでしょうか?私の会社もそう、社内のいろんな人と話しても、皆、イメージしている「DX」が①②③バラバラでした。

「DX推進チーム」は③だけやるチームではないはずです。会議の中などで共通認識を持ちながらボタンを掛け違わずスムーズにディスカッションを進める為に、この3段階の理解は役立つと思います。

経産省が選ぶ「DX銘柄」

③をやるのがすごくて①②はたいしたことない、という考えは間違いです。けっこう、そのような考えで、足元の①②が充実していないのに一足飛びに③をやろうとして失敗する企業が多いように感じます。

毎年、経済産業省が「DX銘柄」という、DXに優れた、手本となるべき企業を発表しています。もしもご興味あれば、検索してのぞいてみてください。もちろん、素晴らしい③を既に軌道に乗せている企業もありますが、①②を愚直に遂行されている企業、③に関してはまだ夢を描いて一歩踏み出したレベル、そんな企業も多く選定されています。

まとめ

今回の備忘録

「DX」にはデジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションという3段階がある。そのことを知りながら、自社が何をすべきか整理して考えるべし!

まぁ、これを知ってるから偉いなんてこともないんですが、DXを仕事でやる人間がこれを知らないってのは、TMNとTMR、小室哲哉と小室みつ子の距離感がごちゃごちゃになってるくらい、ちょっとかっこ悪いと思います。かといって「いやぁそれはデジタイゼーションにすぎないねぇ」と中尾彬ぶるのもおすすめしませんが笑。

おすすめの一冊

記事に共感いただいた方へのおすすめ本を毎回紹介します。今回は、初心者にもわかりやすく、DXやAIのワクワクを教えてくれる石角友愛さんの書籍を2冊ご紹介。

「いまこそ知りたいDX戦略」石角友愛

私が最初に読んだDX関連の本。上記の3段階については勿論、「自社のコア(会社の強み)を改めて定義し、そのデジタル化を果たすのがDXの本質」というメッセージも痺れます。DXに取り組むことになった方が最初に読む本として、おすすめです!

「いまこそ知りたいAIビジネス」石角友愛

「【AI"が"◯◯する】のではなく【AI”で”◯◯する】。そう考えれば、AIが人の仕事を奪うなんて発想はありえない。むしろAIは新しい仕事を生み出す」「AIは導入と定着の壁がある」といった、とてもなるほどなぁと感銘する内容、示唆に富んでいます。こちらもAIに触れることになって最初に読む本として、おすすめです!

異動の年の書初め。